めぐるファッションラボ第二回レポート vol.2

めぐるファッションラボとは

概要
エシカル・サステナブルファッションを本格的に勉強したい方へ向けた、エシカルファッションブランドINHEELSが主催する勉強会です。
洋服の原料から廃棄までを解説した「循環するファッションー新しいデザインへの挑戦」を、参加者全員で読み進め、意見交換をする形式で勉強します。
日時
3/28〜7/4の間で全8回
場所
CHANNEL 01

第二回の内容 4/11

アジェンダ

Part 1 【ファッション商品の変革】「製造工程」「流通」
※今回はかなり濃い内容だったので製造工程と流通で記事を分けます。(vol.1)

内容

流通では、工場から工場、店舗へと運ばれる時や、家庭での洗濯時に排出される炭素ガスに着目しています。これを測ることは、複雑なサプライチェーン(流通のプロセス)によって妨げられ、また測り方によっても大きく変わってしまうことから、かなり困難です。
しかし、トラックの形を変えることや、店舗の在り方を変えることで新しい削減へのアプローチがあると学びました。

効率化は悪いこと?

現在、RFIDタグというのが普及し始めています。
言葉自体は聞いたことがある人もいると思います。

RFIDとは、電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きするシステムです。バーコードでの運用では、レーザなどでタグを1枚1枚スキャンするのに対し、RFIDの運用では、電波でタグを複数一気にスキャンすることができます。電波が届く範囲であれば、タグが遠くにあっても読み取りが可能です。

引用元:https://www.denso-wave.com/ja/adcd/fundamental/rfid/

主に、小売業の棚卸しの際に大きく役に立ちます。上に書いてあるように、今までは商品のバーコードを一つずつ読み取っていましたが、一度に複数のバーコードをスキャンするような仕組みになっているため、大幅な時間の節約につながります。
また、商品情報のデータ化がより容易になり、生産効率が上がるため、コストの削減につながるといわれている。

循環するファッションの中では、より速いスピードで顧客に商品が届けられ、そのサイクルが速くなることによって、シーズン終了後の廃棄につながると書かれていました。
この考え方に対して、めぐるでは、「本当にそうなのか、効率化は悪いことなのか」という話し合いになりました。
その中でINHEELSのファッションブランドであるという立場から、「ブランドとしても効率化ができるのにしないという選択際は取りづらい」という、ビジネスを回すという視点からの意見が出ました。
私も効率化に対して否定的な意見は持てませんでした。
「効率化によって生まれた時間を生産のスケジュールにゆとりにつなげたり、コストが削減できた分で生産工場に還元するゆとりがが生まれるということも考えられる」と思ったからです。

ECと炭素ガス排出削減

Nauというファッションブランドは、店舗で試着をし、欲しい商品はネット注文で家まで届けるという仕組みを導入しています。
家まで届けるということで、倉庫から自宅までの配送時の炭素ガス排出が懸念されるが、店舗での在庫管理が簡素化されることで大幅削減できたとしています。
このように、店舗から洋服のストックがなくなったり、洋服の売り方が変わったりと、今までの普通が覆る日がくるのかもしれないと思いました。

トラックの形で燃費を良くする

みなさんは、こんな形のトラックを見たことがありますか?
この画像にあるトラックは、Marks and Spencerというイギリスの小売業者がデザインした、燃料消費を50%削減できる新しい形のトラックです。
また、燃料消費を削減するだけでなく、35%抵抗力削減・10%燃料使用量削減につながり、更にはトラック積載量は16%増えたそうです。
新しい仕組みやシステムを取り入れることではなく、現状あるものに疑問を持つということもひとつ解決策につながっています。

考えたこと・印象に残ったこと

トラックのデザインを少し変えるだけで、大きな効果が出たことというのは、視覚的にもわかりやすく、また取り入れやすい解決策であると思いました。
vol.1でも触れたように、フェアトレードや”環境に優しい”ということは目に見えないというのが、一番普及を妨げている原因なんじゃないかなと、最近思うことが多くなりました。
フェアトレードの認証マークの認知度の低さもありますが、製造工程の一部の作業や、原料を少し変えたというのは大々的に発表されることもなく、埋もれてしまっているように感じます。
その点で、裁断廃棄物が少ない裁断パターンや、トラックのように目に見えるものを使ってプロモーションしていくことも重要だと感じました。

感想

2回目にして、すごくディスカッションというか、みんなの発信の意欲?みたいなものをすごく感じて、とってもいい場だなと思いました!
経験に基づいた話だったりすると、本当に生で感じたことを教えてもらえたり、答えが無いからこそ、「私はこう思う!」というのを言えたりする部分がとっても心地いいです。

発信することの重要性というのも感じて。
ありちゃんがスタディツアーで現地の方に、「私たちはひどいことをされていると思ってはいない。だけど、お客さんは強いから、そういう人たちから言って欲しい」って言われたことを話してくれたのを聞いて、こうやって話しているだけじゃダメで、もっと伝えたい人に伝えていかないといけないなと思いました。
それと同時に、スーパーやGUでも”お客さんの意見”を大事にしているところが多いと思います。それはブランディング的な要素も強いですが、「要望を叶えてくれる会社」はそれを目指すために必ず「叶える」ことを通ります。
ある意味で自動的に叶えられるのであれば、「伝える」ことに大きな意味があるなと思いました。